医療のIT化を進めるためには、病院側がいくつか検討しておきたい項目がある。まずは、導入に必要になってくる費用に関する問題が挙げられる。電子カルテやオーダーリングなど、様々なシステムの構築には大きな費用が必要になってくるのだ。また、そのシステムを運用していくためには、サポートを行うスタッフに関わる人件費なども加わってくるだろう。当然、システムを運用していく際にはベンダーに支払う保守費用も必要になってくるため、視野に入れておきたい項目と言える。導入時に一括で支払う場合もあるが、リース契約を行っている場合も多く、病院の経営状況を踏まえた上で最適な選択することが求められてくる。

また、実際にシステムを稼働するまでの間に、スタッフへの教育を行っておくことも大切な項目だ。ガイドラインを作成し、教育、研修の期間を設けておく必要が出てくる。通常の業務と並行しながらのため、その調整も求められるようになるだろう。一度の教育や研修で全てを網羅し、完璧に把握するのは難しいため、数回に分けて行い、何度もリハーサルを行うことが欠かせない。スタッフへの教育や研修を行う際には、それをサポートするスタッフの確保も必要になってくるため、人件費がかかることも理解しておきたいポイントである。リハーサルを行う上で問題点が浮かび上がれば、それを改善する作業も加わってくるだろう。また、IT化にあたって、院内で検討する委員会や分科会などに携わる人々に関わる人件費なども忘れないようにしたい。